活用事例集
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意匠性を付与した炭素繊維強化木材
炭素繊維のシートを木材と接着剤で積層することで、木材の剛性改善や変形等を抑制した高機能木材がありますが、接着剤を使用するため作製に長い時間を要しています。我々は、炭素繊維に熱可塑性繊維をミシンで高速で複合化する技術を開発し、得られた複合糸による織物や編物などのテキスタイルプリフォームを加熱圧縮することで熱可塑性炭素繊維強化複合材料を成形しています。この技術を活用して、炭素繊維とポリエチレン繊維(PE)からなる複合糸による織物を木材と積層し170℃で10分間プレスするだけで、優れた機械的特性を有する強化木材を開発することができました。また、表面層の木材の替わりに色彩豊かな先染織物を用いると優れた機械的特性だけでなく、意匠性も付与した材料とすることができます。
先染織物を表面に加飾した炭素繊維強化木材
容易な成形
融点の低いポリエチレン繊維(130℃)を用いることで成形温度を低く抑え(170℃)、木材や先染織物の劣化を防いで成形できます。溶融したポリエチレン樹脂は、表面層と中央の木材とを強固に接着して一体化した材料を容易に作製できます。また、先染織物の内部へも樹脂が十分含浸し、強固に表面へ接着します。
炭素繊維強化木材の積層構成
炭素繊維とPE繊維からの織物
優れた機械的特性
接着剤と木材を積層した材料と比較して約1.6倍の曲げ強度、破壊に要するエネルギーは5倍以上となりました。下の三点曲げ試験後試料のように接着剤のみの材料と比較して炭素繊維の存在により破壊の進行を抑えた材料となります。また、加工性は木材同様であり、意匠性を付与することで家具などインテリアへの用途展開も期待できます。
表面層を木材とした強化木材
木材へのポリエチレン樹脂の付着
三点曲げ試験後試料
(上:接着剤のみ、下:炭素繊維織物仕様)
開発年度 | |
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事業、研究名 | 複合材料開発 |
公開情報 | 特許 第5690386号 織物による炭素繊維強化複合材料の成形方法 特許 第5877431号 炭素繊維強化複合材料の製造方法 |
お問合せ先 | ■藤邦織物株式会社 〒677-0004 西脇市市原町109番地2 Tel.0795-22-4759 Fax.0795-23-0061 |
■宮田布帛有限会社 〒677-0005 西脇市野中町38番地 Tel.0795-22-3772 Fax.0795-23-4859 |
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■兵庫県立工業技術センター 繊維工業技術支援センター 藤田 浩行 |
炭素繊維、木材、熱可塑性樹脂、織物、先染