活用事例集
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軽くて透け感のある接触冷感に優れたストールの開発
糸づかい(強撚糸、異番手、混紡糸)や織密度および異素材との交織など規格を変化させた様々な綿織物を試作し、接触冷感、紫外線遮蔽率などと織物規格との関係を定量化することで、軽くて透け感のあるクールビズ対応生地を開発しました。機能性とデザイン性を活かすことで高級感あるストールの商品化に成功しました。
開発生地の外観(センター要覧を裏に配置
クールビズ関連繊維製品の課題
クールビズ・ウォームビズ製品に代表される快適性生地の大半はポリエステルやナイロンなどの合成繊維から構成されています。綿繊維を始めとする天然繊維は素材自身に吸水性や保温性などの機能性を有していますが、合成繊維のように断面形状制御や機能材料の練り込みはできず、機能性に限界があるのが現状です。そのため、仕上加工時、機能材料を樹脂で固着させることで機能性を付与していますが、耐洗濯性や風合いが堅くなるなどの課題がありました。
機能性綿織物の開発と設計支援
一般的に紫外線遮蔽率は、織密度を多くすれば、透き間がなくなり、遮蔽率は向上します。また、表面積が増えることで接触冷感も一定の向上が期待できます。ただし、生地は重く、通気性および透け感は失われてしまします。そこで、糸の太さや織密度を変化させた綿織物を試織し、各機能性を評価することで規格と特性値の関係を定量化し、各特性のバランスの取れた織物規格を見出しました。また、接触冷感を向上させるため、強撚糸の使用や麻繊維との混紡糸および麻糸との交織など糸づかいを様々工夫することで、軽くて透け感のある生地ながら、クールビズ対応素材としての綿織物を開発することができました。
ストールの商品化
開発した素材は、接触冷感および紫外線遮蔽率に優れ、天然繊維の優しい風合いを持った生地です。また、軽くて透け感のある生地と先染織物のデザイン性を活かした製品開発に取り組み、高級感あるストールを商品化することができました。その他にもオリジナル商品を多数展開しています。
中小企業基盤整備機構「近畿の匠」より抜粋
開発年度 | 平成24、26年度 |
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事業、研究名 | 評価設計技術(共同研究) 平成24年度 重点領域研究、平成24、26年度 共同研究 |
お問合せ先 | ■多可染工株式会社 多可郡多可町中区中村町446-2 Tel.0795-32-0088 Fax.0795-32-3011 http://www.taka-banshuori.jp/ |
■兵庫県立工業技術センター 繊維工業技術支援センター 藤田 浩行 |