活用事例集
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新規塩素系食品添加物 殺菌料
本部三慶株式会社では、亜塩素酸を主剤とする殺菌、制菌用薬剤を開発しました。当センターにおいて効果、製造技術などについて共同研究を継続してきました結果、亜塩素酸を主たる有効成分とする「亜塩素酸水」が2013年2月指定食品添加物として厚生労働省に認可されました。
亜塩素酸を主剤とする殺菌料
背景
亜塩素酸ソーダなどを加工食品用の原材料の処理剤として使用した場合、処理時に塩素臭が発生する、処理後の対象物中に亜塩素酸イオンが残留するなどの問題がありました。この問題を解決するために本部三慶(株)と共同研究を行い、従来の亜塩素酸ソーダとは全く異なる食品用新規塩素製剤の開発に成功しました。またこれを用いて老健施設等での嘔吐物処理剤として製品化しました。
塩素化学の基礎
主たる有効成分の「亜塩素酸」は、酸性から弱酸性の水溶液中に存在しており、亜塩素酸と亜塩素酸イオンの間で化学平衡状態にあります。非解離状態の亜塩素酸の時に、その一部が水溶性二酸化塩素へと変化し、さらに水と反応して亜塩素酸イオンに戻り、再び亜塩素酸イオンと亜塩素酸の間で化学平衡状態に戻ります。この現象のことを「サイクル反応」と言います。この反応を応用した製品を開発しました。
開発した製品の特長
亜塩素酸ソーダ等の塩素酸化物系の薬剤は、酸化反応時に強烈な塩素臭気が発生します。これは塩素酸化物系薬剤は反応後揮発性二酸化塩素が生成するためです。今回開発した殺菌料は、亜塩素酸のサイクル反応により塩素臭気や有害なガスの発生も極端に低く抑えられています。また、処理後の対象物の洗浄条件を合わせて検討し、亜塩素酸イオンの残留しない使用条件も策定できました。しかも本製品は、塩素酸化物系の薬剤と、ほぼ同程度の微生物類(細菌類やウイルス類を含む)に対する除菌効果や消毒効果があることも確認できました。
殺菌料の使用例
開発年度 | 平成15〜26年度 |
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事業、研究名 | 制菌技術(共同研究) |
お問合せ先 | ■本部三慶株式会社 大阪府大阪市中央区城見2丁目2番53号 大阪東京海上日動ビル12F2 Tel.06-6920-6666 Fax.06-6920-6656 http://www.sankei-group.com/ |
■兵庫県立工業技術センター 材料・分析技術部 井上 守正 |