活用事例集
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播州織の捨て耳糸を利用した新素材の開発
繊維廃棄物である織物の捨て耳糸と熱可塑性エラストマーおよびコルクからなる複合材料を開発しました。従来有効利用できなかった繊維廃棄物を混練工程のみで繊維の切断および均一分散可能な製造技術を開発し、帯電防止性能に優れた材料を安価に製造することができました。現在、床材や靴の中敷きなど様々な商品へ展開しています。
靴の中敷き
繊維廃棄物のリサイクルの現状と課題
織物の製織工程で排出される大量の耳糸のほとんどが廃棄物として処分されています。処理費用の発生や資源の有効利用などの観点から播州織産地の大きな課題の1つです。また、捨て耳糸など繊維廃棄物を利用した製品開発は、低コスト製造と高付加価値化が求められますが、繊維廃棄物の切断や粉砕など前処理によるコスト増が問題でした。
一方、コルクは軽くて断熱性などに優れた機能性と自然な触感に優れた材料として、床材などへの製品化もあります。しかし、帯電しやすい、強度が低く割れやすいなどの欠点が存在しました。
そこで、捨て耳糸とコルクなどを複合化した新たな材料開発と低コスト製造方法の開発を行いました。
捨て耳糸の切断および分散技術の開発
開発した材料は、コルクのバインダーとして用いる熱可塑性エラストマー内に耳糸繊維が均一に分散した構造をしています。捨て耳糸をプロセスオイル等に浸透させた後に樹脂と加熱混練し、一旦冷却した後、加熱せずに混練することにより、樹脂に添加した耳糸繊維が適当な長さに切断され、均一に分散することができます。これらは既存設備で可能なことから低コストで製造できます(特開2008-194998)。
帯電防止性能と触感に優れた材料の商品化
耳糸を10wt%複合化した材料の帯電防止性能は、コルクと熱可塑性エラストマーのみの材料と比較して約50倍(電荷漏洩速度:約1/50)です。導電性物質を添加するのと同様の帯電防止効果を発揮することができます。また、従来品は強度を向上させるため樹脂コーティングしていますが、開発した材料は強度があるため樹脂コーティングする必要がなく、コルクの優れた触感と弾力を保持しています。床材や靴の中敷きなど様々な製品へ商品展開しています。
床材への施工風景
開発年度 | 平成18、19年度 |
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事業、研究名 | 繊維技術(共同研究) 平成18、19年度 共同研究 平成18年度 中小企業技術革新成果事業化促進事業 平成19年度 JST可能性試 |
お問合せ先 | ■河村化学工業株式会社 神戸市長田区六番町7-2 Tel.078-575-2947 Fax.078-577-6274 http://www.kawamura-kagaku.co.jp |
■兵庫県立工業技術センター 繊維工業技術支援センター 藤田 浩行 |