活用事例集
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梅の風味豊かな蒸留酒の開発
背景、目的
三田市では、都市と農村の交流を政策の一つに掲げ、同市の特産品を用いた製品の開発を模索していました。
瀬戸内沿岸に比べて標高が高い三田市で栽培される梅は、関西地方の主産地に比べて出荷時期が遅れ、関東地方の産地よりも早まることから、端境期の青果物として安定した市場を獲得していました。同市ではこのことに注目して、三田の特産品「梅」を用いた酒類の開発を、同市内の岡村酒造場に委託しました。
委託を受けた岡村酒造場から「梅を用いた酒類の開発を一から始めるので、開発に係わる技術指導して欲しい」という依頼を受け、開発に着手しました。
成果、製品化状況
梅を用いた商品は梅酒をはじめとして数多く存在します。同様の商品では新規性に乏しく、これまで商品化されていないスピリッツ(蒸留酒)として開発することとしました。このスピリッツは、原料の一部として梅果実を使用して発酵させ、これを蒸留したものです。
梅の果実にはクエン酸が多く含まれます。そこで梅由来のクエン酸がもろみの発酵に悪影響を及ぼさないかどうかの試験を実施しました。その結果、梅を大量に使用しても影響を受けずに発酵し、梅の風味豊かなもろみを製成できることが分かりました。
次に蒸留条件の検討を行いました。通常蒸留酒の製造では高濃度のアルコールを得る条件で蒸留されますが、梅の風味を蒸留液に移行させるためには、高沸点化合物を蒸留する条件の方が適していることが分かりました。
さらに技術アドバイザーから、商品コンセプトの策定やラベルデザインなどに関する指導を受けて商品化を進めました。その結果、梅の風味豊かなスピリッツ「うめーえさんだ」ができました。
現在、地域の特産品として高い注目を受けており、三田市からは梅を使った第二段、三段の商品開発を打診されています。
開発年度 | 平成16年度 |
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事業、研究名 | 技術支援 |
お問合せ先 | 岡村酒造場 |
兵庫県立工業技術センター 井上 守正 |