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ユニバーサルデザイン~手に負担のかからない包丁~

背景、目的

 ユニバーサルデザインは障害を持つ人にも、健常者にも使うことができるという意味で、最近の工業デザイン分野では一つの大きなトレンドになっています。そこで、開発対象となる製品分野として、三木市の金物産業界を想定し、調理で使う包丁を選びました。基本コンセプトは、「手に負担のかからない」包丁です。
 包丁を使うときの作業、特に包丁を持ち上げてまな板に落としながら切る、という作業を見直すことにしました。何度も上下に動かして切る場合、包丁自体の重さが負担になるのではないかと考えました。そこで、包丁の柄の後ろをつなげて、まな板に接地させることにしました。さらに、この包丁下部をラウンド状にし、この部分をまな板に接地させ、回転させながら切る方式を考えました。もちろん、この使い方に限定される必要はなく、普通の方法で包丁を上下させながら使うこともできます。グリップ部分はドーナツ状になっているので、握力が弱くても包丁を安全に保持できます。

成果、製品化状況

 握りやすさや使い勝手を実際に検討するため、スチレンボードを用いてモデル制作を行いました。このモデルをベースにプロトタイプが試作され、消費者モニタリングを経た後、株式会社三木刃物製作所により商品化されています。

開発年度 平成9年度
事業、研究名 新産業創造支援事業
お問合せ先 (株)三木刃物製作所
兵庫県立工業技術センター
後藤 泰徳