活用事例集

HOME > 情報発信 > 活用事例集 > 入浴用補助手すりの開発

活用事例集一覧へ戻る

入浴用補助手すりの開発

背景、目的

 工業技術センターと東光機材㈱は、入浴用補助手すりの開発を行いました。入浴用補助手すりは高齢者の浴槽への入浴動作を補助する道具です。開発の基本コンセプトは、「軽量化」と「取り付けの確実性」、「従来の福祉機器にないスタイル」です。

成果、製品化状況

 外観デザインは軽量化と開発コスト、使用材料の環境負荷を検討した結果、アルミダイキャスト一体成型方式を採用することになりました。まず発砲スチロールによるモデルを製作し、3次元測定機を利用して形状データをデジタル化しました。このデータから負荷や変形をコンピュータ解析(CAE)しました。その結果をふまえて最終設計を行い、CADデータを製作して、最終金型を起こしました。グリップ部は柔らかな握り感触を得るために、エラストマーを採用しています。
 モニターの方々から、グリップの垂直部分を握るケースが多いという意見があったので、エラストマー製グリップ末端部分に滑り止めを設けました。また握っても手首が回転しないよう、三角柱状にしています。
 取り付け部はアルミ一体式の後背部に組み込む方式を採用しました。奥行き4cm程度の中に3段式に伸びるネジが畳み込まれているので非常にコンパクトです。また、専用の取り付け用ハンドルは非常に少ない力で締まり、かつ必要以上には締め付けられない設計にしてあるので、お年寄りでも簡単に取り付けられます。この製品は商品化され好評を得ています。


外観、グリップ、取付部分


開発の流れ

開発年度 平成12〜13年度
事業、研究名 企業との共同研究
お問合せ先 東光機材株式会社
兵庫県立工業技術センター
後藤 泰徳、平田 一郎、福地 雄介、稲葉 輝彦