活用事例集
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脱毛処理に酵素を利用する革の品質改良
背景、目的
皮革製造工程、特に脱毛などの準備工程においては、現在でも種々の問題を抱えています。たとえば、牛皮の銀層面での毛根の残存、血筋の出現、生きジワや、銀面の洗浄性などです。
平成14、15年度に牛皮表面の品質改善について取り組み、脱毛時の石灰漬前処理にタンパク質分解酵素のプロテアーゼを用いることにより血筋を見えにくくする方法を開発しました。そこで、バックマンラボラトリーズ(株)との共同研究に発展させ、脱毛処理時の酵素利用による有用性を検討し、皮革用酵素剤としての商品化を支援しました。
成果、製品化状況
牛皮には北米産ステアを用いました。酵素剤(pH:7~10、使用濃度:0.3~0.5%)を添加した浴に、水漬後の皮を約30分間浸漬します。皮に酵素剤を浸透させることにより、裸皮からの細毛や毛根、表皮層の分解物の除去が促進され、銀面層の清浄化が図れました。また、酵素による皮の膨らみ効果によりコラーゲン線維がほぐされるため、首周りの深い生きジワが写真のように浅くなり、柔らかい、弾力感のある革が得られ、高級感を備えた革素材として使用できるようになりました。
バックマンラボラトリーズ(株)では、この皮革用酵素剤の商品拡販を展開し、現在、姫路市内の前實製革所で使用されています。
開発年度 | 平成16年度 |
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事業、研究名 | 企業との共同研究 |
お問合せ先 | バックマンラボラトリーズ(株) |
兵庫県立工業技術センター 杉本 太、安藤 博美、西森 昭人 |