活用事例集
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未風化粘土の可塑性付与技術
背景、目的
近年、淡路瓦用粘土の品質が著しく低下し、粘土の成形に必要な可塑性(ねばさ)の低下や瓦表面が白くなる現象の増加など製造工程において問題が生じ、製品の物性に大きな影響を与えています。
従来、粘土の可塑性改善は、屋外で風雨にさらす方法(ウェザリング)や屋内で水分を保ったまま保存する方法(ねかし)が一般的に行われています。これらの方法は、長期間を要するだけでなく、広いストックヤードが必要です。そこで、未風化で可塑性が乏しい未利用粘土の改質技術の開発に取り組みました。
成果、製品化状況
微生物の添加により粘土の風化と可塑性付与を同時に進行させる「風化溶脱促進法」を用い、未風化粘土の改質方法について検討しました。粘土に微生物を加えて密封し、20~60℃で8週間保持した後、可塑性の指数を測定しました。その結果、20~40℃では微生物の繁殖が活発になると考えられ、有機酸の生成促進による可塑性の向上が認められました(図1)。分散性試験(図2)では、微生物の添加で可塑性の改善によりと考えられる沈降性物質の増加が認められました。
改質された粘土は、従来の良質粘土と遜色のない可塑性を持っており、未風化粘土の成形性や製品品質の改善ができました。
さらに、焼成によって粘土中の有機物が消失し、細孔が残ることから、調湿建材などへの活用が期待できます。
本製品は、環境にやさいい製品としてすでに販売されています。
図1 液性限界値と塑性指数の関係(塑性図)
図2 分散生試験結果(48℃、8W)
開発年度 | 平成16年度 |
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事業、研究名 | 共同研究 |
お問合せ先 | 淡路瓦工業組合 |
兵庫県立工業技術センター 河合 進、泉 宏和、石原 嗣生、西羅 正芳、山中 啓市 |