活用事例集
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五穀焼酎
背景、目的
此の友酒造(株)では、市町合併記念商品として南但馬の特産品を用いた製品の開発を模索していました。「南但馬の特産品を用いた酒類の開発について、商品コンセプトから技術指導して欲しい」という依頼を受け、開発に着手しました。南但馬のイメージを「田舎」と定義し、田舎を連想する原料として複数の穀物を使用した焼酎の開発を行うこととしました。
成果、製品化状況
入手可能な穀物を調査した結果、米、大麦、そば、あわ、きびの5つの穀物(五穀)を使用することとしました。まず、5つの原料を同時に仕込んだ場合、もろみの並行複発酵が順調に進むかどうかを試験しました。その結果、原料の蒸煮加熱と最適な酵素剤の使用により穀物の風味豊かなもろみが製成できました。
通常の蒸留酒製造では、蒸留器に残留する異臭成分を除去するために、蒸留の初流は廃棄(カットオフ)します。五穀のもろみの蒸留では、このカットオフ条件を検討することにより、穀物の風味を焼酎に取り込みました。
以上の取り組みの結果、五穀の風味豊かな焼酎が製品化できました。此の友酒造㈱では現在後継商品として、もろみの発酵管理を吟醸なみに厳しく行い、芳醇な香りを持たせた商品の開発に着手しています。
開発年度 | 平成15年度 |
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事業、研究名 | 中小企業中堅技術者養成事業 |
お問合せ先 | 此の友酒造(株) |
兵庫県立工業技術センター 井上 守正 |