活用事例集
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回収牛毛ケラチン由来の紫外線カットフィルム製造技術の開発
背景、目的
皮革排水処理で発生する汚泥削減を目標として、毛を刈り取り回収することにより汚泥量を少なくする方法について検討しました。その中で、回収牛毛の有効利用法として、建材用、農業用などに用いられている紫外線カットフィルムの原料に牛毛から得られるケラチンを利用することを検討しました。
成果、製品化状況
今回、ケラチンにコラーゲンとポリビニルアルコールを複合させたK-PVALフィルムと、ポリ乳酸フィルムとケラチン-コラーゲン-ゼラチン複合フィルムの二層構造のK-PLA二層フィルムを試作しました。試作したK-PLA二層フィルムの外観写真を左図に示します。
試作した各フィルムについて紫外線のカット率を測定しました。右図はK-PLA二層フィルムの紫外線のカット率を示しています。ケラチン含有量20%のフィルムの場合で350nm以下の波長では99%以上紫外線をカットすることがわかります。またケラチン50%を含むK-PVALフィルムの場合、400 nm以下の紫外線を99%以上カットできました。市販のフィルムでは400nm以下の紫外線を99%以上カットできますから、K-PVALフィルムでは紫外線カット性能は市販品と同程度の性能を示すことがわかりました。K-PLA二層フィルムでは改善が必要です。
フィルムの強度は、市販の紫外線カットフィルムの強度よりは若干劣っています。今後、フィルムの強度を左右する補強剤の種類や割合を検討し、伸びやもろさをさらに改善することで実用化を目指します。
K-PLA二層フィルム
K-PLA二層フィルムの紫外線吸収性
開発年度 | 平成14〜15年度 |
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事業、研究名 | 共同研究 |
お問合せ先 | 兵庫県立工業技術センター 松本 誠、西森 昭人、杉本 太、奥村 城次郎 |