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天然繊維を利用した多孔質フェノール複合材料

背景、目的

 繊維強化プラスチック(FRP)は、金属材料と比べ軽く錆びない工業材料として様々な用途に利用されています。繊維には主にガラス繊維が用いられていますが、廃棄処理やリサイクル性などの観点から天然繊維を用いたFRPの用途開発が活発に行われています。また、用途開発の面から、FRPの多孔質化による軽量化が求められています。従来多孔質化に利用されているフロンガスや炭化水素系ガスは、環境問題や安全性などの問題があり、環境に優しい多孔質化の方法が求められています。
 そこで、軽くて強く、環境にも優しいFRPの開発を目的として、天然繊維と優れた熱特性を持つフェノール樹脂を用いた多孔質複合材料を開発しました。

成果、製品化状況

 天然繊維には麻繊維と竹繊維を用いました。成形は、麻織物を成形材料の表面層となるように配置し、かつ、竹繊維をフェノール樹脂に分散させることにより、高い強度を持つ織物複合材料とすることができました。また、繊維や樹脂に含まれる水分をマイクロ波加熱することにより多孔質化と内部加熱による迅速な成形を可能としました。多孔質化することにより、断熱性や防音性なども優れた材料となります。これらの特長を生かし、(株)エフタックルとの共同で外壁パネルを作製しました。
 現在、商品化に向け取り組んでいます。


複合材料の内部


外壁パネル

開発年度 平成15年度
事業、研究名 経常研究成果の技術移転
お問合せ先 (株)エフタックル
兵庫県立工業技術センター
藤田 浩行