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エレクトロスプレー法を用いた多孔質フィルター製造技術

背景、目的

 近年、プラスチック製品は色々な分野で利用されています。その中で、低密度及び多孔質などの機能性を付与したプラスチック製品が開発、利用されています。それらの製造には、発泡技術や2成分の混合物を作製してから片側を熱や薬品によって溶解して除去する方法が主に用いられています。
これらの技術は多くの工程を必要とするため、簡単に低密度で多孔質なプラスチック粉体の製造技術開発に取り組みました。

成果、製品化状況

 プラスチックの製造方法の一つに界面重縮合があります。これは、プラスチックの原料である2種類のモノマーを混ざらない溶液にそれぞれ溶解して、その2つの溶液の界面で反応させてプラスチックを製造する方法です。この手法の一つであるエレクトロスプレー法は、電気の力によって溶液をスプレー状にする技術です。界面重縮合における片側の溶液を、高電圧(10~20kV程度)を加えたノズルから噴出させることにより電気的反発を利用してミスト状態にして、もう一方の溶液中に滴下することから空隙率が80%以上の低密度で多孔質なプラスチック粉体が製造できます。これらの低密度な多孔質体製品は、フィルターや吸着基質体、防音・防振材料などへの利用が期待できます。


試作したナイロン粉


粉体の電子顕微鏡写真

開発年度 平成16年度
事業、研究名 技術改善研究
お問合せ先 兵庫県立工業技術センター
中野 恵之、桑田 実、福地 雄介、北川 洋一