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西日本初のどぶろく「八平だるま」の開発

背景、目的

 北但馬地区では平成16年度に「グリーンツーリズム特区」として、農業分野の特区指定を受け、この中で「どぶろく製造」に関する規制緩和(どぶろく特区)も受けています。「どぶろく特区」では、酒類の製造に関する数量の制限適用が免除されますので、少量規模であっても免許を申請することができます。特区内の但東町で農業体験民宿を経営する能勢氏からどぶろく製造技術に関する指導の要請があり、支援することとなりました。

成果、製品化状況

 特区内でどぶろく製造免許を取得できるのは、①農家である、②農家民宿などを営んでいるという要件を満たす必要があります。つまり、杜氏などの技能者以外は全くの醸造未経験者になります。そこで醸造基礎知識の講習とどぶろく造りの実習を次のカリキュラムで実施しました。

  1. 原料および原料処理(洗米、浸漬、蒸きょう作業実習)
  2. 仕込み及びもろみ管理(仕込み作業、もろみ管理実習)
  3. 分析(アルコール度、酸度、アミノ酸度、比重、日本酒度測定実習)

 さらには酒税法で定める税務手続きのうち、記帳と申告についても併せて指導しました。また初めての製造に当たっては技術アドバイザーを派遣し、具体的な製造管理について専門的な現地指導を行いました。
 指導の結果、平成16年12月1日に、西日本で第1号となるどぶろく製造免許が交付され、12月18日にどぶろく「八平だるま」が完成しました。以来、自家製造のどぶろくを味わうことができる民宿として大きな反響を呼んでおり、製造規模の拡大も検討している状況です。


どぶろくの仕込み風景

開発年度 平成16年度
事業、研究名 技術支援
お問合せ先 農業体験民宿「八平だるま」
兵庫県立工業技術センター
井上 守正