活用事例集
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シェービング粉から開発した皮革用再鞣剤
開発の背景、目的
皮革副廃物のなかで大量に産出されてくるクロムシェービング粉は工業用コラーゲン、肥料の原料として活用されています。近年、シェービング粉を原料とするこれらの製品は中国、インド、中近東諸国からの製品輸入の攻勢を受けて国内での生産は長期的には漸減傾向にあります。そのためシェービング粉の活用に繋がる新規用途開拓が強く望まれています。
一方、製革副産物の活用を図るために床皮屑由来のコラーゲン粗線維を原料とし、ビニルモノマーのグラフト共重合法を適用したコラーゲンを基材とする再鞣剤の開発に取り組んでいます。シェービング粉はコラーゲンの原資でもありますが、高い耐熱性・耐薬品性を有しています。
この特徴を活用してシェービング粉に対するグラフト共重合を行えば、耐熱性の低い床皮を原料とするよりも、効率的にコラーゲンを基材とする新規な再鞣剤の開発が期待できます。
開発の結果、製品化情報
シェービング粉に対してビニルモノマーを用いた無触媒グラフト共重合を行いました。シェービング粉の高い耐熱性、耐薬品性を活用することによって、重合時間を大幅に短縮できました(24時間→2時間)。
クロム鞣しの効果によってコラーゲンが熱変性し難くなるため、重合媒体のpHを低くしてもコラーゲンを熱変性させることなくグラフト共重合させることができました。
グラフト重合することによって平均粒径0.3μの超微粒子グラフトコラーゲンの懸濁液が高収率で得られました(図1)。
超微粒子グラフトコラーゲンを用いたウェットブルーに対する再鞣試験結果より、腰があって膨らみのある革の製造や血筋の目立たない革の製造に再鞣剤として応用できることが認められました。
超微粒子コラーゲンの粒度分布
血筋のある鞣革
血筋を目立たなくした鞣革
開発年度 | 平成15年度 |
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事業、研究名 | 地域中小企業集積創造的発展支援促進事業(国庫補助事業) |
お問合せ先 | 兵庫県立工業技術センター 岸部 正行 |