活用事例集
活用事例集一覧へ戻る
タイトル
開発の背景、目的
城崎の伝統工芸品「麦わら細工」は、ソフト面では城崎文芸館などで「麦わら教室」を開催し、人材育成や技術の研鑽に努めています。一方ハード面では良い素材づくりのための刃物や道具類の整備に力が注がれています。工業技術センターでは良い素材を作る過程、良い作品に仕上げる過程で使う刃物や道具類について、かみや民芸店と共同研究を行い、技術面の支援を行いました。
「麦わら細工」づくりは全てが手作業です。なかでもストロー状の麦わらを平たく延ばす作業は最も労力を必要とします。今回試作しましたハンディタイプの専用機械により、この作業の負担を軽減しました。
開発の結果、製品化情報
新たに試作開発した「ロール機械」はストロー状の麦わらを「へら」で裂き、上下のロールの間を通すことにより、平たく延ばす仕組みです。自然の植物である性格上、必要以上に圧力を加え延ばすことは繊維を傷め、また表面の光沢に悪影響を与えかねません。「へら」で何回も擦りながら平らにするの手作業はこのためです。このことから、徐々に延ばすことに注意を払い、三連式のロール機械を試作しました。機械は引き延ばしの性能に加え、作業がし易く、手軽に持ち運びのできるハンディタイプとすることも加味しています。上部の金属ロールは4本のボルトで一度に取り外しができ、清掃が簡単に行えます。上ローラの両端を支えているベアリングをゴムのスプリングで押さえつけることで麦わらへの加圧力を発生させます。そして、このスプリングの長さを変えることで加圧力を調整します。
城崎伝統工芸品「麦わら細工」小箱
三連ロール式引き延ばし機械
開発年度 | 平成15年度 |
---|---|
事業、研究名 | 企業との共同研究 |
お問合せ先 | 共同研究企業:かみや民芸店 |
兵庫県立工業技術センター 永本 正義、山本 章裕 |