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耐衝撃性に優れた刈払機用チップソー

開発の背景、目的

 刈払作業に使用するチップソーは、毎分5千回転以上の高速回転で使用されることから、作業時に小石、コンクリ-トとの接触により破損し、作業者に傷害を与える可能性があります。特に、チップソーのような熱処理により素材の硬さを増大させた製品では、電気ニッケルめっきを行うと耐衝撃性が低下するという問題が生じます。
 そこで、耐衝撃性に優れたチップソーの得られる表面処理法を検討しました。その結果、無電解ニッケル合金めっきを行うと、チップソー全体にわたり均一なめっき厚さが得られるとともに、耐衝撃性も大きく改善されることが明らかになりました。

開発の結果、製品化情報

 ロックウェル硬さHRC40~44のチップソーの表面に、リン含有量5~10%の無電解ニッケル-リン合金めっきを行うことにより、耐食性だけでなく、耐衝撃性も従来の電気ニッケルめっきに比べて改善されます。また、無電解複合ニッケル合金めっきを適用すると、チップソーの耐摩耗性・潤滑性をさらに改善することが可能になります。
 この研究成果は、共同研究相手の三陽金属㈱と共同で平成15年3月に特許(第3409050号)を取得しました。また、すでに新製品として出荷しており、ユーザーに大変好評を得て
います。

開発年度 平成14年度
事業、研究名 企業との共同研究
お問合せ先 共同研究企業:三陽金属㈱
兵庫県立工業技術センター
園田 司、山中 啓市、後藤 浩二