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「麦わら細工」に使うキカイ類

開発の背景、目的

 城崎温泉には古くから、芸術性豊かな工芸品として全国的に有名な、「麦わら細工」があります。製作においては、良い素材を作る過程や良い作品に仕上げる過程で使う刃物や道具類「キカイ」が大きな役割を果たします。従来から作業の効率化や軽減のための改良について技術支援の要望がありました。今回、これまで使っている刃物・道具類の見直しを図りました。特に作業の軽減化をテーマにキカイ類を整備することがねらいです。

開発の結果、製品化情報

 刃物・道具類の多くは、麦わらの縮みや曲がりをとる、短冊に切る、輪郭に沿って切る、小さな穴を開けることに用いられています。新たに試作開発したキカイは15mm程度の幅に平たく伸ばされた麦わらを0.2mmから2mmの幅に短冊状に切る道具です。
 キカイのテーマは軽量化で、材料は透明アクリル樹脂を用いています。刃先の先端は鋭利な追加工がなされています。また、刃物の入る溝の加工は特殊加工機を使い、数十枚重ねたチップ刃物がピッタリと収まり、ガタが出ないよう形状に工夫がなされています。
 切れ味性能の向上、正確な寸法の確保、軽量化が一挙に実現でき、作業者の長年の念願であった「使いやすい」キカイができあがりました。現在、数十台が使われ喜ばれています。


試作したキカイ(軽量930g)


切れ刃部分の拡大写真

開発年度 平成14年度
事業、研究名 企業との共同研究
お問合せ先 共同研究企業:城崎麦わら細工振興協議会
■兵庫県立工業技術センター
永本 正義