活用事例集
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製革準備工程における微粒子消石灰の利用技術
開発の背景、目的
皮革の製造工程ではクロムなどのなめしや染色・加脂、仕上げ工程に先だって、準備工程として原料皮の水戻しや脱毛が行われます。脱毛工程では脱毛の促進と皮の軟化のために消石灰が使用されます。このとき排水に大量の汚泥を生成するために、その減量化が重要な課題になっています。排水の汚泥中には使用されずに排出された過剰の石灰が多く含まれていることから、微粒子の消石灰に転換することによりカルシウムの利用率を上げることが期待できます。そこで微粒子消石灰の導入技術を開発することを目的としました。
開発結果、製品化状況
汚泥の減量化の達成とともに革の品質を低下させないことが重要であると考え、石灰使用量の削減による革品質への影響と汚泥の削減効果を検討しました。その結果、図に見られるように消石灰の使用量を半分にしても皮へのカルシウムの吸着量はほとんど変わりなく、できあがった革の品質や汚泥の生成についても以下のように好ましい結果が得られました。なお肉面層のコントロールの数値が突出しているのは表面に付着したカルシウムを含むためと考えられます。
①微粒子消石灰の使用量 JIS 特号消石灰の半量に減らしても、浴比も同時に減らすことにより革の品質に遜色がなかった。
②汚泥の生成量を JIS 特号消石灰の場合の 50~70%に削減できた。
③消石灰のコストの増加は JIS 特号消石灰の場合の 10%程度であった。
各地区での講習会によりその普及に努めており、すでに県下の大手企業に導入され効果を上げています。
脱毛皮中のカルシウムの吸着量
皮中のカルシウム含有量 G:銀面層、M:中心層、F:肉面層
皮試料を三層に分割し、乾燥試料中のカルシウムを分析した。
脱毛・石灰漬け浴の消石灰濃度 コントロール:JIS 特号消石灰 4%
実験1、2、3:微粒子消石灰それぞれ 2、1.5、1%
開発年度 | 平成13年度 |
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事業、研究名 | 皮革技術アドバイザー指導事業の職員指導(製革準備工程における微粒子消石灰の利用技術) |
お問合せ先 | 皮革工業指導所 隅田 卓、松本 誠、角田 和成 |