活用事例集
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多色糸作成自動ワインダー(ピーコックワインダー)の開発
開発の背景、目的
播州織の製品開発において、高付加価値化および多品種・小ロット化がより一層求められています。また、製織工程などにおける染色糸の余剰の有効利用が環境問題の観点からも強く望まれています。そこで、企業と共同で複数の染色糸を自動でかつ意図する順序および長さで糸を繋ぐ装置の開発を行いました。
開発結果、製品化状況
本装置は、糸の巻取ドラム、糸繋ぎ部および糸把持部などで構成する本体部と給糸台、さらに糸デザイン情報(糸番号および糸長の配列データ)などの作成や巻取状況をモニタリングするパソコンにより構成されています。本システムではあらかじめパソコンで作成した糸デザイン情報に基づいて本体部を制御し、そのデータどおりに糸を巻取ります。また、糸デザイン情報から簡易的な織物イメージ化が可能です。したがって、織物デザインを確認しながらデータ作成することで、意図的な織物開発に役立ちます。
糸デザイン情報の作成においては、様々なデザイン性を付与するために、乱数や数式を利用したデータ作成を可能としました。
様々な糸づくりへの応用だけでなく、繰返し定長で繋いだ糸をたて糸に使用することにより、複数の柄を 1本のビームに巻くことができ、従来の先染織物工程の大幅なコストダウンと短納期が期待できます。さらに、靴下などニット製品への展開も可能です。なお、この装置は、平成 13年 12 月に東京ビックサイトで開かれた繊維総合見本市 JAPAN CREATION2002 にも出展し、好評を博したことを付け加えます。
ピーコックワインダーの本体
巻取中のモニタリング画面
作成糸
開発年度 | 平成12年度~13年度 |
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事業、研究名 | ㈱片山商店との共同研究 |
お問合せ先 | 企画情報部 藤田 浩行 繊維工業指導所 古谷 稔、小紫 和彦 |