活用事例集

HOME > 情報発信 > 活用事例集 > キトサン含有紙糸による織物開発

活用事例集一覧へ戻る

キトサン含有紙糸による織物開発

天然抗菌剤を用いた紙糸織物の開発

 紙製造時に紙繊維の隙間にキトサン粉体を混入させ、幅2mm程度にスリットし、そのスリット紙に撚りをかけることにより伸縮性のある糸を作成しました。この抗菌・消臭性を持った加工糸にて織物を試作しました。試作織物の抗菌性を維持できる染色・加工方法について共同開発・技術指導を行いました。


試作した抗菌のれん

キトサン粉体利用の課題

 キトサンは、抗菌性を持つ天然物質として、レーヨン繊維等に利用されていますが、キトサン粉体を繊維中に埋め込むため空気中への露出が少なく大きな抗菌性が得られませんでした。そこで、多くの空隙を持つ紙内にキトサン粉体を固定することにより、抗菌効果の大きい紙糸を作成し、織物開発を行いました。

紙糸の抗菌性評価


キトサンを含む紙糸の走査型電子顕微鏡写真

抗菌性染色布の開発

 試作織物は、抗菌試験の結果、院内感染の原因であるMRSAや食中毒を起こすO157の菌体に対し抗菌効果のあることが確認できました。また、染色・加工方法の影響によりキトサンの抗菌効果が消失する等の課題も解決し、染色製品の開発もできました。


試作織物の染色サンプル

開発年度 平成20年度
事業、研究名 繊維技術(技術指導)
お問合せ先 ■エス・イーケミカル株式会社 
中川益男
京都市上京区河原町今出川下ル
クリエイション・コア京都御車104号室
Tel.075-950-6330 
Fax.075-950-6340
http://www.sechemical.jp
■兵庫県立工業技術センター
繊維工業技術支援センター 中野 恵之、瀬川 芳孝