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製革準備工程改善による排水汚濁負荷の低減技術

開発の背景、目的

 皮革製造工程から排出される排水の大部分は、水戻し、脱毛石灰漬けを含む準備工程から発生し、排水汚泥は、脱毛石灰漬けで使用した未反応の水酸化カルシウムと硫化ナトリウムから派生する無機物、溶解した毛を含む蛋白質の混合物が主成分となっています。本研究では、石灰浴液の循環による毛回収を行い、さらに浴液を再利用することによる排水汚濁負荷の低減を目的としました。

開発の結果、製品化情報

 脱毛石灰漬け工程からの毛の回収量は、18kgの原料皮で約500gであり、毛を回収することにより、通常の排水から乾燥汚泥の25%を削減することが可能です。また、毛を回収した石灰浴は再度脱毛石灰漬けに利用可能であり、クロム鞣し後のウェットブルーのクロム含有量、液中熱収縮温度は、通常脱毛法からのウェットブルーと差異はありません。さらに、ヘアーセービング脱毛法処方と組合わせることにより、毛の回収率の向上とスムーズな浴液の循環が期待できると予想されます。


図1 石灰浴液の循環装置


図2 石灰浴液の循環による毛回収


図3 毛回収フィルター部分

開発年度 平成13年度
事業、研究名 技術改善研究事業(県単独事業)
お問合せ先 兵庫県立工業技術センター
佐伯 靖,岸本 正,松本 誠,中川 和治,石川 齊