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斜め織織機の開発

背景、目的

 普通の織物は、たて糸とよこ糸が直角に交差しています。斜め織織物は、たて糸とよこ糸が斜めに交差した織物です。
 播州織産地では、斜め織織機の開発を試みた技術シーズはありましたが実用化には至っていませんでした。しかし、斜め織織物は異方性に特長があり、神戸市のゴム製品製造業者から、伝動ベルトの基布としての斜め織織物への技術ニーズが明確になりました。この技術シーズと技術ニーズをコーディネートすることにより、斜め織織物の実用化を目指して研究開発に取り組みました。

成果、製品化状況

 斜め織織物を実用化するためには、斜め織織機を開発する必要があります。さらに、開発機のみでは実用化は不可能ですから、商業生産を可能とするような仕様を決定して斜め織織機を開発しました。
開発のポイントは、斜めに筬打ち(おさうち)する筬打ち装置を開発したことです。また、織機の付属品であるテンプルを斜め織織機用に開発したことは、製織性の向上に大変効果的でした。なお、筬打ち装置は特許出願中です。
 開発した織機で製織した斜め織織物は、技術ニーズを満足するものとなり、近々に実生産の取り組みが予定されています。
 斜め織織機の普及には、斜め織織物のさらなる用途展開が必要と考えます。皆様から用途開発への提案が頂ければ幸いです。

開発斜め織織機の仕様

項 目 仕 様
ベース織機 高速レピア織機
開口装置 10枚電子ドビー装置
筬打ち装置 両側確動カム駆動方式
送出し装置 3本ビーム・電動方式
巻取り装置 電動方式
回転数 300RPM


開発した斜め織織機

開発年度 平成15〜16年度
事業、研究名 地域新生コンソーシアム研究開発事業
お問合せ先 (財)新産業創造研究機構、バンドー化学(株)、桑村繊維(株)、(株)片山商店、京都工芸繊維大学、(財)ひょうご科学技術協会
兵庫県立工業技術センター
小紫 和彦、藤田 浩行、瀬川 芳孝、仙崎 俊明、佐伯 光哉、長谷 朝博