活用事例集
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無電解めっき法により作製しためっきガラスディスク
開発の背景、目的
ガラスは、電気的絶縁性、光学的透明性、化学的耐薬品性、平滑性などに優れることから、マイクロエレクトロニクス分野の発展とともに、各種デバイス用材料としてその利用が増加してきています。その中で、各種ミラーや磁気ディスクにおいては、スパッタリング等のドライプロセス(乾式法)を中心とした方法によりガラス基板上に金属コーティン
グが施されています。
このような金属コーティングは、無電解めっき法でも可能であり、生産性の面で有利なことから注目されています。
今回、めっき皮膜の特性改善を目的として研究を行いました。
開発の結果、製品化情報
ガラス等の非導電性素材上に無電解めっきを施すためには、基板表面に触媒性を付与するための触媒活性化前処理が必要となります。今回、その一つの方法である二液法(センシタイジング-アクチベーティング法)を改良し、平滑性および密着性の優れためっき皮膜が得られる前処理法を開発しました。一般的に知られている二液法では、析出する
めっき皮膜の表面粗さが大きく、外観上に曇りを生じます(図1左)。改良法では、めっき皮膜の平滑性が向上することで光沢性が良くなるとともに密着性も向上しました(図1右)。
今後、この前処理法を利用したウェットプロセス(湿式法)による磁気ディスク等の製造が期待されます(図2)。
図1 無電解Niめっきしたスライドガラス
左:通常法 右:改良法
図2 ガラスディスクにめっきした事例
開発年度 | 平成15年度 |
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事業、研究名 | 技術改善研究(県単独事業) |
お問合せ先 | 兵庫県立工業技術センター 山岸 憲史、西羅 正芳、高橋 輝男、上月 秀徳 |