活用事例集
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可搬型非接触2次元振動測定機
車載機器やモーター搭載機器、回転板などの工業製品は、使用中の共振による騒音発生やボルト欠落、破壊事故等を避けるため、設計・開発時に振動モード解析を行う必要があります。我々は、以前に開発を進めた、光干渉方式の非接触リアルタイム2次元振動振幅分布測定機のデータ処理部を改良し、測定現場に容易に持ち込めるプロトタイプ機を構築しました。
中央を垂直加振した丸鋸の測定例
(直径165mm、厚さ1mm、加振周波数211Hz)
振動測定機の構成
2次元振動測定機の概観を右に示します。本測定機は、レーザ光を測定面(粗面)に拡大照射し、測定面からの散乱光を、参照光と重ね合せる光干渉法です。光源にレーザダイオードを使用しており、測定ヘッドの寸法は120(W)×70(H)×75(D)mmです。また、ノートPC上に表示されている2次元振動振幅分布画像のサイズは640×480画素、更新レートは毎秒約16回です。
2次元振動測定機の外観
測定例
本測定機によりステンレス円板の中央を垂直加振した時の振動分布を下図(a)に示します。振動の節の位置で最も明瞭な白色縞が現れ、振動のピークが4つ出現しています。縞の出現間隔は約0.17μmです。また本測定機は振動位相の測定が可能です。レーザの注入電流を、測定物の加振信号に同期させて(或いはπだけ位相をずらせて)変調させると、下図(b)および(c)に示すような、最も明瞭な白色縞が振動の節から離れた位置に出現する画像が得られます。これより、この測定例では、隣り合う振動のピークの位相がπだけずれていることがわかります。
ステンレス円板(直径100mmφ、厚さ0.4mm)の2次元振動振幅分布(a)と位相の測定の例
(加振周波数1331.4Hz、(b)と(c)は、変調信号の位相がπだけシフトしている)
開発年度 | |
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事業、研究名 | 情報技術 |
お問合せ先 | 兵庫県立工業技術センター 生産技術部 松本 哲也 技術企画部 福井 航 |
振動解析、制振、光干渉法、スペックル、レーザ